P.Seven ― 台湾から生まれた、香りで文化を描くブランド

台湾の香水ブランド、P.Seven(ピーセブン)は、香りを通じて文化を伝えるという理念のもと2012年に誕生しました。

創業者は台湾・花蓮県出身の藩雨晴(パン ユーチン)氏。
海と山に囲まれた自然豊かな地で育ち、幼い頃から嗅覚が鋭く、風や雨の香りを感じ取ることができたといいます。

のちに五つ星ホテルのティーマスターとして働くなかで、台湾茶が放つ香りの奥深さにあらためて魅了され、「この香りを、時間が経っても残すことはできないだろうか」と考えたことが香水づくりの原点となりました。

やがてパン氏は独学で調香を学び、香りの文化を継承するためのブランドとしてP.Seven(ピーセブン)を創設します。

ブランド名に込められた“P”は創業者の名前に由来し、“Seven”は五感を超えた“第六感、そして心の感覚”を合わせた「七感」を意味しています。

香りを文化として昇華させ、感覚の奥に宿る記憶や情緒を呼び起こすこと―それがP.Sevenの哲学です。

目次

台湾を瓶に詰めるという発想

P.Sevenのビジョンは、「瓶の中に台湾を詰める」こと。

香りを通じて台湾の自然や風土、そして人々の精神性を伝えることを目指しています。
「香りでストーリーを伝え、香りで魂を創造する」というメッセージは、ブランドの根幹をなす言葉です。

2019年には日本支社を設立し、日本橋に直営店をオープン。
2022年には、世界的なアワード「アート・アンド・オルファクション・アワード」においてアジア人として初めて「暗香 Aged Tea」がインディペンデント部門でグランプリを受賞しました。

ヨーロッパが中心だった香水文化において、アジア発のブランドがその存在を示した出来事として、いまも語り継がれています。

茶の香りで語る、台湾の物語

P.Sevenを代表するのが「台湾茶香水」シリーズです。
このコレクションは、台湾茶の文化と土地の記憶を香りで描き出したもので、ブランドの原点ともいえる存在。

中でも「暗香」「金萱桂花」「台湾茗香水」は、P.Sevenの哲学を最も象徴する三つの香りとして知られています。

「暗香」は、深く発酵させた茶葉に炭のぬくもりを添えた香り。
静けさと深みを兼ね備えた香調で、アート&オルファクション・アワードを受賞しました。

「金萱桂花」は、パン氏の幼少期の記憶をもとにしています。
祖母の家の前に続く金木犀の路地、そしてその香りとともに漂う人のぬくもり。
懐かしさと幸福感を閉じ込めたこの香りは、P.Sevenにおける“記憶の象徴”ともいえる存在です。

そして「台湾茗香水」は、雨上がりの森を歩き、茶屋で一服してから静かに筆をとる――そんな心象風景を香りで描いた作品です。
フランキンセンスと台湾ヒノキ、金萱茶の香気が重なり、余韻に炭の深みが静かに残ります。
それはまるで、香りという筆で「時間の静けさ」を描いたかのようです。

これらの三つの香りが、P.Sevenを語るうえで欠かせない“シグニチャー”であり、特に「台湾茗香水」が新しいシリーズ〈墨香(mor)〉へと続く哲学の礎となっています。

新章 ― 墨香(mor)シリーズ

2025年秋、P.Sevenは新たなコレクション〈墨香(mor)〉を発表。

“mor”は「墨(mo)」に、“more than tea(お茶以上の体験)”という意味を重ねた造語です。
台湾茶香水で築き上げた文化の香りを継承しながら、さらにその奥にある「精神性」と「静けさ」がテーマ。
炭の香りは、台湾では平和や愛、そして人の温かさの象徴とされています。
この「墨香」シリーズでは、そうした象徴を香りの中心に据え、“香りの余白”という新しい美意識を提示しています。

ラインナップは3種類。

墨茶(モォチャ)[mor]The

ウーロン茶にアイリスを重ねた、知性の中に柔らかさが漂う香り。
トップノート:ジャスミン、茶葉
ミドルノート:アイリス、ボルネオール、墨
ラストノート:シダーウッド、ムスク、パチョリ

墨花(モォファ)[mor]Flor

チャイニーズローズとピオニーが描く、花びらのように穏やかな香り。
トップノート:チャイニーズローズ、ピオニー
ミドルノート:アイリス、ボルネオール、墨
ラストノート:スパイクナード、シダーウッド、ムスク、パチョリ

墨竹(モォジュ)[mor] Bambu

竹の青さとクローブの深みが交わる、清涼で澄んだ香り。
トップノート:ビターオレンジ、バンブーリーフ、ヒヤシンス
ミドルノート:墨、クローブ、アイリス、ボルネオール
ラストノート:スパイクナード、シダーウッド、ムスク、パチョリ

いずれも、香りが静かに立ち上がり、消えていくまでの余白に美しさが宿ります。香水を“作品”として感じさせる、P.Sevenならではの新境地といえるでしょう。

商品情報

容量:各66mL
価格:各22,000円(税込)

〈先行販売〉

サロン ド パルファン 2025

場所:伊勢丹新宿店 本館6階 催物場(新宿)
期間:2025年10月8日(水)~10月13日(月・祝)
※初日8日はエムアイカード会員様のみ
※最終日 午後6時終了

〈全国発売〉
2025年12月12日(金)

湿り気をまとった、アジアの香り

実際に香りを試したときに感じたのは、P.Sevenの香水には、欧米の香りとは違う“湿り気”があるということです。
それは、台湾という土地が持つ空気の質なのかもしれません。
湿度を含んだやわらかい風のように、香りが肌の上でそっと馴染み、まとうというよりも、内側から自然に香りが滲み出るような感覚があります。

ラストノートに重厚さがあまりなく、透明感を残したまま静かに消えていくところも印象的でした。
その軽やかさと清らかさは、きっとアジアの気候や感性に寄り添う香りの設計なのだと思います。
P.Sevenの香りが私たち日本人の肌に自然に溶け込むのは、そうした“空気の質”の共通点があるからなのかもしれません。

P.Seven直営店で香りを体験する

P.Sevenの香りは、東京・日本橋コレド室町テラスの直営店でも体験することができます。
落ち着いた空間に並ぶ香水のボトルや茶器のようなパッケージから、ブランドが大切にしてきた「香りと文化の融合」を感じ取ることができます。

静かな佇まいの中で香りを選ぶひとときは、まるで台湾の茶屋を訪れたような穏やかさに包まれます。

誠品生活日本橋店
〒103-0022
東京都中央区日本橋室町3丁目2−1
コレド室町テラス 2F
TEL:03-6910-3969
営業時間: 11:00-20:00

ピーセブン 台湾 香水 サロンドパルファン2025

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